AIFOD(AI FOR DEVELOPING COUNTRIES FORUM)と歩むAI時代の「経済主権」
   バンコクの国連本部でコシキ・バリューハブが提言した新基準

コシキ・バリューハブ株式会社
サーティファイド・ソリューション・プロフェッショナル
 北村 隆幸

はじめに

コシキ・バリューハブ株式会社(KVH)は、2026年2月4日から6日にかけて、タイ・バンコクの国連カンファレンスセンター(UNCC)で開催された国際サミット「AIFOD BANGKOK SUMMIT 2026」に参画しました。

世界150カ国以上から500人を超えるリーダーが集結した本サミットでは、「AIが社会やビジネスにどう貢献すべきか」という本質的な対話が行われました。

議論の焦点は、AIが国家間の格差を助長するのか、それとも「偉大なる平等化装置」として機能するのかという歴史的な命題です。この大きな分岐点に立ち、「経済主権(Economic Sovereignty)」の奪還という共通の目的に向けて、極めて戦略的な対話が繰り広げられました。

この重要な枠組みにおいて、私たちKVHは、全応募者のわずか2%未満しか選ばれない最上位カテゴリー「Senior Fellow(シニア・フェロー)」の認定を受けました。認定に際しては、10名を超える国際的な専門家とのオンライン面談や詳細なQ&Aセッションを通じ、私たちの掲げるビジョンが世界の持続可能な発展という方向に合致しているかが厳格に審査されました。

私たちがAIFODという世界基準の対話を通じて捉えた、日本企業が直面する課題と、私たちが目指すべき「新基準」のあり方について共有いたします。

バンコクの国連本部(UNCC)で開催されたAIFODサミット2026の会場風景

バンコクの国連事務局(UNCC)で開催されたAIFODサミットの様子

目次

  1. AIFODサミットが警告する「デジタル植民地主義」とデータ主権の重要性
  2. 私たちが提唱する「From Screen to Street(画面から街へ)」
  3. AIFODが定義する経済主権の「4つの柱」
  4. AI活用の「未来を描く」パートナーとして
  5. 結びに:世界で見つけた答えを、貴社のビジネスの最適解へ

1. AIFODサミットが警告する「デジタル植民地主義」とデータ主権の重要性

今回のサミットで最も強調されたリスクの一つが、「デジタル植民地主義(Digital Colonialism)」です。

現在、世界のデータは一握りの巨大テック企業が所有するサーバーへと流れ込み、そこで学習されたAIモデルが高額な価格で売り戻されています。この「補償なきデータの抽出」は、富を特定の地域に集中させ、他国を恒久的な技術的依存状態に陥らせる危険性を孕んでいます。

「データ主権は経済主権である。データを制する者が、AIを制する。」

この言葉は、新興国だけでなく、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する全ての日本企業にとっても、自社のデータの主権をいかに守り、独自の価値として昇華させるかという、避けて通れない問いを突きつけています。

この「依存」の状態から脱却し、AIを真に自社の力として活用するために、私たちはAIFODの場で一つの視点を提示しました。それは、AIを「システム上の試行錯誤」から「現場の実戦力」へと引き上げるための、新たなアプローチです。

2. 私たちが提唱する「From Screen to Street(画面から街へ)」

私たちは、日本が推進すべき「Physical AI(フィジカルAI)戦略」のビジョンをAIFODへ提示しました。その核心となるスローガンが、「From Screen to Street(画面から街へ)」です。

これまでAIは、画面(Screen)の中、つまり閉ざされたシステムの中でのみ議論され、時には不安定な挙動や実務との乖離に翻弄されてきました。しかし私たちは、AIがデジタルの箱庭を終え、現実の「現場(Street)」で実務を支える「確実な道具」へと進化すべき時期にあると考えています。


現場の実務を支える「Physical AI」の3つの方向性
  • 物理システムへの実装: AIを画面から解き放ち、製造ラインや建設現場など、現実を動かす物理デバイスに直接組み込む。
  • 労働者の拡張(Empower, Not Replace): AIを人間の代わりにするのではなく、現場の担当者に「実務上のスーパーパワー」を与える。
  • 地域との共栄:システムの中だけで完結しない、地に足の着いたAI実装の知見をアジア全体で共有し、地域全体の繁栄を目指す。

こうした「実戦に根ざしたAI」のビジョンは、AIFODが掲げる持続可能な発展のための「4つの柱」を支える重要な基盤となります。

3. AIFODが定義する経済主権の「4つの柱」

サミットでは、AIによる持続可能な発展を実現するためのフレームワークとして、以下の「4つの柱」が定義されました。

  1. 金融包摂(Financial Inclusion):AIを活用し、低コストで安全な金融サービスをあらゆる人々へ届ける。
  2. 技術の民主化(Technology Democratization):技術を「借りる」ことから「所有する」ことへ転換し、自国の現場に最適化したAIを自ら生み出す力を構築する。
  3. 主権的AI(Sovereign AI):データと能力を国内に保持し、外部に依存することなく、地域内で経済価値を循環させる。
  4. グループ交渉(Group Negotiation):断片化した声を一つにまとめ、巨大テック企業と対等に渡り合うための交渉力を養う。

世界基準の知見を日本のビジネスの現場で具現化するには、単にツールを導入するだけでは不十分です。今、私たち日本企業に求められているのは、AI社会の未来をデザインし、新たな活用指針を創り出す「提言者」としての視点です。

4. AI活用の「未来を描く」パートナーとして

私たちがAIFODのSenior Fellowとして認定されたことは、コシキ・バリューハブが単なるAIの「利用者」に留まらず、AI社会の未来をデザインし、新たな活用指針を創り出す側に立っていることを意味します。

バンコクの会場で議論された「責任あるAI(Responsible AI)」の基準は、現地の文化や「実務のリアリティ」を尊重するものです。私たちはこの「世界基準の視点」を、皆様のDX支援に活かしています。

  • 世界基準のコンサルティング:国際的な潮流を踏まえた「持続可能で、実務に効果的なAI活用」の知見を、貴社の課題解決に活用します。
  • 実務に根ざした価値提供:一過性のブームではなく、長期的に現場を支え続けるAI実装の「あるべき姿」を共に描きます。
  • 多角的な伴走サポート:日本企業の現場(Street)に即した丁寧な対話を通じて、変革への道のりをナビゲートします。

私たちは、全ての専門領域において独力で解決策を導き出せると豪語するわけではありません。しかし、世界で見つけた「進むべき方向」を指し示し、皆様と共に悩み、最適な答えを探し続けるパートナーでありたいと考えています。

5. 結びに:世界で見つけた答えを、貴社のビジネスの最適解へ

AIの主戦場は、もはや画面の中ではありません。システムの中だけで完結し、実務から遊離した「実験」の時代は終わりました。これからは皆様の現場(Street)において、いかに主権を持ち、実力としてAIを実装できるかが問われます。

コシキ・バリューハブは、AIFODの一員として、皆様がAI時代の「未来を描く側」として飛躍するためのパートナーを務めます。

世界で見つけた「主権」という答えを、貴社のビジネスの最適解へと変換するために。共に新しい地平を切り拓いてまいりましょう。

コシキ・バリューハブの専門知見(Senior Fellow認定)

本記事の内容は、KVHのサーティファイド・ソリューション・プロフェッショナルである北村 隆幸が、2026年2月にバンコクで開催されたAIFODサミットにおいて「Senior Fellow」に認定されるまでの審査プロセス(国際的な専門家との面談・Q&A)、および会場での意見交換を通じて得た知見に基づいています。私たちは、グローバルなAIガバナンスの潮流を日本の実務に翻訳し、戦略的指針として提供することにコミットしています。
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